第3章 転入生な私
「え?え?蓮花ちゃんてほんとは違う名前なの?」
隣で桃井さんが混乱している。
「....違う。私は由良....。」
説明できないもどかしさで思わず涙目になる。
「え?どういうこと?」
「さつきはちょっと黙ってろよ。余計話が分からなくなる。」
「....私と蓮花は別人....。」
これで分かってくれないと私はどうすればいいのか....。
「赤司くん、ちょっと落ち着きませんか?」
「ん?俺は十分落ち着いているが?」
「蓮花さんが泣きそうです。」
黒子くんがハンカチを差し出してくれた。
優しい....。
けど、
「....私は蓮花じゃない....!」
もう!
なんでみんなわかってくれないの....!
『由良、ここは私に任せてもらえないかしら?』
頭の中で蓮花の声が聞こえた途端、意識がプツリと切れて体が前に勢いよく倒れこんだ。