第17章 勉強会をしよう
「今日はこれくらいで終わりにしようか。」
「ようやく終わったっスー!」
「終わったぜー!」
赤司っちの勉強会終了の号令がかかり、一番嬉しそうなのが二人。
黄瀬くんと青峰くんだ。
他のみんなも嬉しそうなことに変わりはないのだが、二人の喜びようは他の人たちとは違っていてかなり面白かった。
「柏木!褒美、くれるんだよな?」
「もちろん!今日頑張ってたしいいよ。あげる。」
青峰くんにそう言ってやると、また一段と嬉しそうに飛び上がった。
「青峰っちにだけずるいっスよ!俺には何かないんスか?」
「ねーよ。」
「ひどいっス~!」
黄瀬くんが喚く。
なんだか小さい子供に見えてきてうるさくなってきたのでついに笑顔が消えてしまった。
「うるさいから静かにしてくんない?」
私の顔から笑顔が消えて雰囲気が変わったのに気づいたのか、黄瀬くんは黙ってくれた。
「分かればいいのよ。私、聞き分けのいい子は好きよ?」
そう笑顔に戻って言った。
でも、みんなの顔が微妙になっていた。
ひきつっているというか、なんというか、なんとも言えない表情になっていて、驚かせて悪いことをしたなぁと思った。
「さ、青峰くん。ご褒美買いにレッツゴー!」
気分を変えて、強引に青峰くんの手を引っ張った。
「あ。赤司っち、楽しい時をありがとう!おじゃましましたー!」
部屋を出ていく前に赤司っちにそう告げて、青峰くんと部屋を出ていき、行き交うメイドさんに軽く会釈をして赤司家をあとにした。