第17章 勉強会をしよう
「青峰くん、よくこんなんで今までのテストダメにしてこなかったね。」
「うっせーな。大体こんなん勉強して何になんだよ。」
「青峰くん。そんなこと言ってると高校でやってけないよ?推薦で入学は出来るかもだけど、いざ入ってみてテストで赤点とって卒業できないなんてことになったらシャレにならないから今は我慢して勉強はやっときなさいよ。終わったらいいものあげるから。」
「いいもん?どうせ下らないもんだろ?」
「そんなこと言っちゃっていいのー?あげないよー?」
青峰くんの耳元でいいものの正体を囁く。
囁いてやると、青峰くんはすごく嬉しそうに目を輝かせて笑顔で勉強を始めてくれた。
「....すごい....青峰くんにここまでやる気を出させるなんて....。なんて言ったの?」
「....ひ、み、つ....。」
人差し指を唇に当てて大人のお姉さん風に言ってみた。
「破廉恥なのだよ!」
「は?」
「え?」
緑間くんが顔を赤らめながら破廉恥と言ったあと、私とさつきの声が重なった。
「いきなりどうしたんですか?緑間くん。」
「ん~?なになに~?みどちん、どうしたの~?」
「な、なんでもないのだよ!」
眼鏡をクイッと上げたその姿がかっこよくて思わず見とれてしまった。
「緑間くん、あんなことで破廉恥だなんて....かわいい。」
はぁ....やっぱり私は誰よりも貴方が好きよ。緑間くん。
普段はクールなのにたまに見せるデレとかこのウブなとことかチョーかわいい....!
「さ、さっさと勉強するのだよ!時間の無駄だ!」
「ふふっ、はいはい。」
こんな近くで緑間くんが見られてこんな幸せな日は今までなかったと思った。