第17章 勉強会をしよう
「ほらほら!青峰くんと黄瀬くん大変なんでしょ?戻ろ?」
赤司っちの背中を押して部屋に戻るよう促す。
「あ、そうだ。君の名前、みさきなでしこ....だったか?」
「えぇ。」
「そう、呼んでいいか?」
「いいよ。というかむしろ嬉しいしどんどん呼んで!」
ずいっと顔を近づけて赤司っちに迫った。
「じゃ、じゃあそう呼ばせてもらうよ。みさきなでしこ。」
「うんうん。やっぱりいいわねぇ、名前を呼んでもらうっていうのは。
さて、戻りましょうかね。征十郎坊ちゃん。」
「.....。」
「どうかした?」
「その呼び方は止めてくれ。いつもの呼び方のままでいいから。」
「ふふっ。家ではそんな風に呼ばれてるんだね?なるほど。」
「そ、それは昔呼ばれていたもので今はそのような呼び名ではない。」
そう言う赤司っちの顔は少し赤い。
照れているようで不覚にも可愛いと感じた。
「年相応な顔もできるんじゃん。あんまり気を張り詰めすぎないでいつもそんな顔してればいいのに。つっても無理か....。でも、あんまり無理しすぎて心配かけないでよね。」
そう赤司っちに伝えて、ベランダを後にした。
「せいぜい由良を悲しませるようなことはしないでね....。」
ベランダの方を振り向かないで一人、そう呟いた。