第17章 勉強会をしよう
「さて、早速始めようか。」
部屋に来てはしゃいでいる青峰くんと黄瀬くんに容赦なく赤司っちがそう言った。
「特にお前たち二人は壊滅的だから真剣にやるように。」
「赤司、柏木は大丈夫なのか?」
えっ、私?
「そうだったね。柏木には始めにこの問題を解いてもらおう。終わったら声をかけてくれ。」
プリントを渡されて一人ポツンとした机で黙々と確認テスト的なものを解かされる羽目になった。
「はーい。」
気だるげに返事をして、さっさと椅子に座って始める。
なんで私が中学生の問題なんて解かなきゃいけないの?
意味わかんない。
あー、でも案外難しいのねぇ....。
そんなことを思いながらも手は止まらず、15分もかからずに全ての問題を解き終わった。
「赤司っち、終わったよー。」
青峰くんと黄瀬くんの相手で大変そうな赤司っちに悪いと思いつつ声をかける。
「え、もう?早かったね。」
「そう?今どきの中学生ってこんな難しいのやってんだね。解いててびっくりしちゃったよ。」
素直に受けたテストの感想を述べる。
「その割には手が止まった様子が見られなかったけど。」
「見てたの?」
「目についただけだよ。うん、全問正解だ。どうやら学力は相当なもののようだな。」
「お褒め頂き光栄デス。」
「それじゃあ悪いけど、青峰と黄瀬の相手を手伝ってくれ。」
「えー、面倒くさい....。ちょっと疲れたからベランダ出たいんだけど、ダメ?」
「....全然そうは見えないが....。いいだろう。なるべく早く戻ってこいよ。」
「はーい。」
適当に返事をしてベランダに行った。