第16章 お菓子と彼と
しばらくして虹村さんがトレーを持って来た。
私の前にはバニラシェイクとポテトの一番小さいサイズが置かれる。
「今日は俺のおごりってことでたーんとお食べ。特に柏木な。」
「ありがとうございます。」
それぞれ食べ始めた。
せっかく虹村さんがおごってくれたんだから食べないと。
とりあえずバニラシェイクを口にしてみた。
とにかく冷たいドロッとした液体が口の中に広がる。
味を感じればおいしいものなんだろうが、何も感じない私にとっては飲むのがすごくつらかった。
続いてポテト。
見た目はおいしそう。
恐る恐る口に入れてみると、食感もよかった。
バニラシェイクよりは全然食べられると思った。
「どうだ柏木、美味いか?」
「....バニラシェイクはちょっと不味いけどポテトはまぁ....。」
「甘いもん嫌いか?」
「いや....そんなことは....ないと思うけど...。」
「じゃあなんで。普通に甘いけど。」
私のバニラシェイクを飲んで言った。
「前から気になっていたんだがどうして食事をしようとしないんだ?」
チーズバーガーを綺麗に食べている赤司くんに話を振られる。