第16章 お菓子と彼と
「あ、ちょっとだけマジバ寄ってかね?」
たまたま前を通りかかったところで虹村さんが提案してきた。
「俺は構いませんよ。」
「柏木は?」
憧れのマジバ....!
「....行きたい。」
なるべく平静を装って言う。
「よっしゃ行くか。」
赤司くんなんかはマジバに行くような感じじゃないけど行くんだなぁ。
ちょっと意外だった。
虹村さんと赤司くんのあとに続いて中に入る。
初めて入ったファーストフード店。
色々珍しくてキョロキョロして落ち着かなかった。
「オメーらなに食う?」
「俺はチーズバーガーセットで。柏木は?」
「....私は何もいらない。」
「バニラシェイクとポテトな。」
へ?
なんか勝手に決められた....。
「赤司は飲み物何にする?」
「アイスコーヒーをお願いします。」
「おう。じゃあオメーら席取っとけ。」
「はい。行こうか、柏木。」
依然キョロキョロする私の手を引いて適当な席に着いた。
「初めて来るのか?」
「....うん。」
そわそわして落ち着かない。