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トリップしちゃいました

第16章 お菓子と彼と


三人で病院を出た。


空はもう暗いが、この辺は建物がたくさんあってそんなに暗さは感じなかった。



「柏木、さっきは悪かったな。」


「....別に。」


「泣いたのか?」


「....泣いてない。」


「案外強情だなおい。」


頭にポンと手を置かれる。


その瞬間に目を瞑って反射的にしゃがんでしまった。


「どうした?」


すぐに目を開けて上を見ると、虹村さんと赤司くんが不思議そうにこちらを見ていた。


「....な、なんでもない。」


急いで立ち上がる。


せっかく忘れてたのにさっきのやつで変に体が反応するようになったようでため息をついた。


「柏木、なんか言いたい事あるんなら言えよ。」


「....言いたい事?」


「ああ。」


「じゃあ....赤司くん。」


「なんだ?」


「バスケ、楽しい?」


「何を言ってるんだ。楽しいよ。」


「....そう。よかった。」


まだ楽しいって言ってくれてる....。


まだ....大丈夫だよね....。


赤司くんの言葉を聞いて心底安心した。


「お、おい、まさか言いたい事ってそれか?」


ほんとは違うけど。


「うん。」


頷いておいた。
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