第3章 転入生な私
「ねえ、柏木さんてどこから来たの?」
「ねえ、由良って呼んでいい?」
「アニメとか好き?」
「好きなタイプは?」
HRの直後、一斉にみんなこちらに来て質問攻めにあっている。
転入生ってそんな珍しいものなのかなぁ?
私、聖徳太子じゃないんだけど....。
どうしようかなぁ....。
「ちょっといいかな?」
これは....赤司くんの声....?
「「あ、赤司様....!」」
みんなが赤司くんのことを様付けで呼ぶ。
本当に様って呼ばれてるんだ....。
「....なに....赤司....様?」
試しに冗談で様付けて呼んでみた。
「話があるからついてきてくれないか?」
「....話?ここじゃ....ダメ?」
「ああ。」
「....わかった。」
人だかりの中から抜けて、赤司くんに着いていく。
ふぅ....。
疲れたー。
ため息をつく。
廊下に出て少し歩いたところで止まる。
「昼休み、一緒にお昼を食べないか?」
は?
「.....なんで?」
「君のことについて聞きたいことがあるんだ。
じゃ、昼休み、屋上で待ってるから。」
「....うん....?」
もうこれは決定事項なのか....。
二人きりではないと思うけど、嬉しいな...。
一人で微笑む。