第16章 お菓子と彼と
赤司side
「おい、柏木!」
病院の中に入っていってしまった。
一体なにがどうなっているんだ?
考えても考えても柏木の謎は増えるばかりで一向に解決の糸口が見えない。
内心とても困っていた。
柏木由良。君は一体何を抱えている?
とりあえず病院の前で佇んでいても仕方がないので柏木の後を追った。
由良side
エレベーターで3Fに上がる。
なぜか知らないが赤司くんまで着いてきていた。
「どこへ行くつもりだ?」
「....虹村さんのところ。」
「は?」
赤司くんは意味が分からないといった顔でこっちを見てくるが説明するのも面倒くさくてそのまま無言を貫いた。
エレベーターが3Fに到着した。
受付で虹村さんのお父さんが入院している病室を聞いてそこへさっさと歩いて行く。
「柏木、これはどういうことだ。」
赤司くんの顔が怖いから何も言わなかった。
しばらく歩いていると、虹村さんのお父さんが入院している病室のドアの前まで来ていた。
その近くにある椅子に座る。