第16章 お菓子と彼と
虹村side
「ははっ....あはは....!」
柏木が急に笑い出した。
「なにがおかしい?」
笑っている柏木に聞くが、返事はない。
「....様子がおかしいです。」
「だな。」
赤司も同じことを感じたらしく表情が深刻そうになっている。
「うっ。」
急に息苦しさを感じて一瞬瞑った目を開いた。
柏木....!?
なんで柏木が俺の首を絞めて....!
「虹村さん....!」
赤司が俺と俺の首を絞めていた柏木を強引に引きはがす。
俺は結構な力で首を絞められていたらしく、激しくせき込んだ。
「かはっ....!ごほっごほ....!」
「虹村さん、大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫....つか柏木は?」
柏木の両手を掴んで押さえている赤司に尋ねて、事情を聞こうとしたら柏木が涙を流していた。
「柏木?」
「....あれ....私....何して....。」
柏木は泣いていることを不思議がって、今何があったか分からないとでも言いたげな顔で赤司に両手を掴まれている状況に戸惑っていた。
「何って....覚えてないのか?」
今俺を殺そうとしたくせに覚えてないそいつに腹が立った。