第16章 お菓子と彼と
「....それを聞いて...どうするの?」
それが一番の疑問だった。
私が隠していることを仮に虹村さんや赤司くんに話したところで状況は何も変わらないし、ましてやそれが治るわけでもない。
話したところで無駄だと思った。
「どうするってことはあるんだな....。なぁ、俺らはそんなに信頼できねぇか?」
信頼ってなに....?
どうすれば信頼したことになるの....?
信頼という言葉の意味が分からなかった。
赤司くんから離れて、後ろに下がってドアの近くに寄る。
「....みんなのことは好き....だけど....信頼って....何?」
「信頼というのは、信じて頼ることだ。」
「....信じて頼る。....分からない。」
「またそれか。分からないじゃこっちも分かんねぇんだよ。」
自分がどうしたいのか分からない。
自分が何を思ってどう行動したいのか分からない。
『それなら....壊してしまえばいい....。』
壊す....?
『そう...。全て壊してしまえばいい。』
そうだ....。分からないなら壊せばいい....。