第16章 お菓子と彼と
体育館の真ん中でついにひとりぼっちになってしまった。
ひとりは嫌。
ひとりにしないで。
誰か一緒にいてよ。
誰か....助けてよ....。
お願いだから。
『あんたみたいなのを助けてくれる人なんかいるわけないじゃん。』
『ばーか。』
『あんたは永遠に一人だよ。』
『この*****!』
止めて。
言わないで。
嫌。
いや....。
「いやーーー!!」
目をパッと開ける。
あ、あれ....ここ....どこ....?
怖い....誰か....。
「大丈夫?!悲鳴が聞こえたけど....。」
見知らぬおばさんがこっちを見て心配そうに声を掛けてきた。
「....ここ....どこ....?」
震える声で聞く。
「ここは保健室よ。大丈夫?」
大丈夫かと聞かれ、大丈夫だと答えたかったが無理だった。
その代わり首を横に振った。
「待ってて、今ホットミルク用意してあげるから。」
「....や....い、行かないで....。」
震える手を伸ばす。
「分かった。私はどこにも行かないから安心して。」
そう言って抱きしめてくれた。