第16章 お菓子と彼と
虹村side
昼休み、中庭で久々に昼寝をしようと思ったら先客がいた。
なんか見たことのあるやつだなぁと思って近づいてみたら、柏木だった。
俺もそこで寝ようと思っていたんだが、死んだように寝るそいつがちょっと心配になって体を揺すって起こすことにした。
意外と寝起きが悪くて一度は目を開けてくれたが、目を閉じた後は中々目を開ける気配もなく目を閉じながら俺と会話していた。
だが、結局寝てしまった。
はぁ....。
ため息をついて、昼休みの間、心配だったからずっとここで柏木と一緒にいた。
ところが、昼休みの予鈴が鳴っても柏木が起きる気配はなく何度か体を揺すっても起きず、授業をサボる羽目になってしまった。
由良side
「....ん....。」
目を開けて体を起こす。
「お?起きたか?」
「....虹村さん....なんでいるの....?」
「オメーが起きねぇからだろ。おかげで授業サボる羽目になっちまったじゃねぇか。」
授業を....サボる....?
状況が掴めずあくびをして首を傾げる。
「あのな、今5限の途中な。俺ら今授業サボってんの。分かるか?」
あぁ...そういうことか...。
やっと状況が飲み込めた。