第16章 お菓子と彼と
由良side
突然ですが、私は今、紫原くんにお菓子を迫られている。
事の発端は数分前....
私は中庭で寝ていた。
ある時からここがすっかりお気に入りの場所となってしまい、昼休みの時間はここで昼寝するのが日課になりつつあった。
でも急に誰かに体を揺すられて、無理矢理起こされた。
「ん....なに....?」
目の前にいる人物の顔がぼやけていてよく見えない。
「なんだ?寝起きは意外と悪いのな。」
そう言って頭を撫でられた。
まだ眠気がふりきれなくて目をギュッと閉じる。
「おい、寝んなよー。」
「....んやぁ....。」
腕を掴まれて、それを離してほしくて体を揺らした。
「うおっ?!なんだ?なんか言いたい事あるなら言えって。」
「....手、離してー....。」
「ん?あぁ、痛かったか?」
「....ちが....う...。」
手から解放されて耐え難い眠気に襲われて再び寝る。
「おい、寝んなって!」
そんな声が聞こえた気がしたが、寝てしまえばどうでもいいことだった。