第3章 煌帝国
『……………』
目が覚めると、眩しすぎる太陽が目に入った。
そして次に見えたのは、そこらじゅうに書かれた"煌"という字。
それが見えた瞬間に、私は一気に辺りを見渡した。
ここは一体どこなのだろうか…アラジンやアリババやモルジアナはどこに行ったのだろうか。
確かあの後私は皆でダンジョン攻略して、光の帰り道でゆっくり話ながら帰っていた筈だ。
それなのに、何故私は身に覚えのない所にいるのか。
そう疑問に思いながらも私は少し頭を落ち着かせた。
私はあの頑丈な部屋から出た後は、"チーシャン"という、アリババやモルジアナに出会った街にアラジンといた。
それから2人で何だかお腹がすいたなんて言いながら歩いていたのも記憶に新しい。
そしてアリババに会ってダンジョン攻略して皆でまた冒険しようと約束して…
そうだ、ならばまだこの近くにアリババかアラジンがいる筈である。
勝手に何処かへ行ってしまう人達ではないから。
そう少しの期待を胸に、私はのっそりと立ち上がった。
こうしていつも記憶を少しずつ思い出していけば、私がやるべき事を振り替える事ができる…気がするのだ。
そんな事を思いながらも私が歩き出そうとした時、そこにいたたくさんの人に私はいきなり槍を突きつけられた。
『……………え?』
これは、槍だ。
間違いなく、本で見たあの痛い槍である。
そう2度確認してから、私は息をのんだ。
これはつまり、私は今何だかわからないけれど危険な状態だということ。
そう判断して私は下手に動かずその人達を見た。
「おいお前!ここに無断で入るとはどんな手を使ったんだ!?」
「ったく、さっさと汚い奴は出ていけ!」
『………………』
何だかかなり酷い事を言われた気がするが、私はそこには敢えて突っ込まずに首を横に振った。
『私はチーシャンという街にいたユキって言うわ。それに、ここには私もどう来たのか分からないの。ここは何処かしら?』
いつも通りの冷静口調で喋る私。
するとその人々は何だか怒りながら更に槍を突きつけてきたのだ。
これは、本格的に危ないと感じた。