第2章 友達
そう思っていると、アリババは何だか深呼吸を2回程して私とアラジンを見てきた。
「なぁ、お前らは?特にやることないんだろ?暇なんだろう?つまらないんだろ?」
『え…まぁ……』
「うん、僕達は特にやることないけど、どうしたのさアリババくん」
何だか口を開いた瞬間に早口のように疑問を投げ掛けてきたアリババに私は少し引きながらこう答えた。
アラジンも暇だねーなんて前に言っていたから本当に私達はやることがないのだ。
そしてそれを伝えると満面な笑顔でアリババは更に話した。
「な、なら!これで俺らの冒険が終わるなんて悲しいしよ、お前ら暇ならこれから一緒に冒険しようぜ!!お前らといると楽しいし、何より友達だからな!!」
そう明るく言うアリババ。
そんな彼に私とアラジンは勢いよくうなずいた。
そうだ、きっとこの3人なら楽しい旅ができると思う。
それで私もアラジンもまた金属器使いを探せばいいんだ。
そう強く決心して私達はまた手を取り合った。
何だかあの時の出会いがこんな事になるなんて思っても見なかった。
本当にこの世界は凄いと改めて思う。
だから私はまだまだこれからも世界を見たいと願った。
アラジンにアリババ、この2人と旅ができるのが、今から楽しみだ。
「じゃあ、絶対に旅しような!まず計画立てて……」
「アリババくんが計画立てるのかい?」
『凄い旅になりそうね』
「っておい!2人供それどういう意味だよ!!!」
「あはははは!」
こんな下らなくも楽しい会話をしながら私達は最後に指切りをした。
皆で会えるのを、楽しみにしよう。
「約束だからな!」
そして、アリババのこの声を最後に私は眠りについた。
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ダンジョン攻略後。
皆それぞれが違う場所へと転送されていた。
モルジアナ、街の郊外。
アリババ、ダンジョン後。
アラジン、ある遠い村。
そして私は………
「な、何だこの女…」
「いきなり現れたんだ」
「怪しい奴め」
「侵入者か」
「早くお伝えしろ」
「おう」
ある大きな国に、飛ばされていたのだ。
その名は、"煌帝国"