第2章 友達
いつものあの明るい笑顔で話しかけてくれるアリババに私は微笑んだ。
よく見ると、向こうには私達に手を振るアラジンがいた。
モルジアナは…いないので3人一緒になったらしい。
「やぁユキ!アリババくん!」
『アラジン!』
再開した3人。そんな私達はこのゆっくりとした帰り道を座ってのんびり過ごした。
私達が座る場所にはたくさんのお宝がキラキラと光っている。
これは、アリババと私が集めたあのダンジョン内の宝だ。
そしてそんな宝物に幸せそうに寄りかかるアリババ。
やがてそんな中、アリババがまた改まって私達を見た。
「なぁ、俺…多分お前らがいなかったらダンジョン攻略にさえ、足がすくんで来られなかったと思うんだ」
『………』
「俺……卑怯だしよ、臆病だし…だから今回お前らにほんっと助けられた!お前らがいなかったらダンジョン攻略出来てなかったぜ、ほんとありがとな!」
自分を弱く言うアリババを私は見つめる。
それに彼は気づいたらしく、何だかそわそわし始めた。
「な、何だよユキ……」
苦笑いのように笑うアリババ。
そんな彼に私はニコッと微笑んで首を横に振った。
『貴方がいなかったら攻略出来ていなかった所だってたくさんあったわ。それに、貴方は卑怯でも臆病でもない、勇気のある優しい人よ』
「そうさ、僕だってそう思うよ!」
しっかりとアリババの目を見て言う私。
それにアリババは今までにないくらい笑顔になり私の頭をグリグリしてきた。
「こ、このこのー!お前誉め上手だなぁもう!」
『………あ、うん……』
「って、そんな微妙な顔すんなよー!」
なんて、楽しく私達は帰り道を過ごした。
とにかく笑顔の耐えない帰り道。
そして私はアリババから少しだけこれからの事を聞いた。
彼はどうやら最終的にはシンドリアという国に行きたいらしく、その前にバルバットで野暮用を済ませるだとか。
それを聞いて私は微笑んだ。
『いいね、アリババなら何でも乗り越えられるわよ』
「あ、あぁ……」
しかし、そう言っても何だか悲しそうな顔をするアリババに私とアラジンは顔を合わせた。
何かあったのかな?