第2章 友達
とにかく3人して揃うことが出来たので、私達はこの不気味な場所を迷いもなく歩いていた。
たまに落ちてくる雫に最初はびびっていたものの、今は大分慣れたようだ。アリババが。
やがて到着した場所。そこで私達は少し休憩することにした。
「はぁ、いつになったら着くんだ?」
かなり疲れたようにアリババがため息混じりに呟くと、アラジンも苦笑いしながら首をかしげた。
そして座った時。
ゴロゴロゴロゴロ
「「『。』」」
何か、後ろから音が聞こえてきた。
しかも、それは次第に大きくなり、私達は恐る恐る後ろを振り向いたのだ。
そこには、迫り来る大玉が。
「うわぁぁぁあ!!!?何だあれ!?」
『大玉ね』
「んなこと分かってるわ!!!」
なんて小さな漫才をアリババとしてると、いつの間にか私とアリババはウーゴ君に乗っていた。
それに驚いて横を見ると、私に優しく微笑んでくれているアラジンが。
「大丈夫かい2人共。ここは急いで抜けよう!」
『ありがとうアラジン!』
「助かったぜ、アラジン!」
心強いアラジンに感謝して、私達は無事にここを去ることが出来た。
大玉も私達にもう迫る事なく、一息つけた瞬間であった。
そして、その着いた場所はとてもきれいな部屋であったのだ。
キラキラと光るたくさんの卵型の物体。
勿論アリババはそんな輝く物体を見て目を輝かせていた。
「スッゲーな!!こんなの初めて見たぜ!」
しかし、テンションの高いアリババに比べてアラジンがかなり静かであった。
気になりアラジンを見ると、汗をかき息を荒くしている。
きっとお腹がすいたのだろう。それにウーゴ君をあんなに出していたから。
『アラジン大丈夫?』
「どうしたんだアラジン」
そんな弱っているアラジンに話しかけると、彼はへにゃりと笑い大丈夫だと言った。
これは、アラジンが元気ない時の反応である。それに私は気づいて更に声をかけようとした。
しかしその時。
「うわっ!?ユキ、気を付けろ!」
なんと、周り中のその光る卵が突然割れはじめて中から緑色の怪物が出てきたのだ。
それを見た瞬間、アリババは脇にアラジンを抱え、剣を構えた。