第1章 旅の始まり
酒が足りなかったせいか、子供は助かったがアリババが今度は犠牲となってしまった。
それを見てざまぁみろなんて呟くぽっちゃりを私はまず倒したかったけれど、我慢しながらアラジンと共に魔法のターバンに乗った。
そしてそれに酒をたくさん乗せる。
アリババの事は、私達2人が絶対に助ける。
そう思いながら私は、ターバンから勢いよく穴に飛び込み、怪物の外側をひたすら蹴り続けた。
すると、段々口を開ける怪物。
やがて大分口を開けた怪物に、最後はアラジンが酒を上から落としたのだ。
「ユキ!?アラジン!?お前ら本当に一体……」
『アリババ、貴方の勇気ある行動に、何人もの人が救われるのよ。アリババも自信を持って!!』
そして、ぽっちゃりが酒に関してやめろと叫ぶ中、アラジンはその手を怪物の方へと向けやがて酒を全て落とした。
そして怪物はへなへなと力をなくしてアリババは助かったのだ。
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『アリババ、ターバンに乗って!』
「お、おう!」
まだ怪物の口の中にいるアリババに手を伸ばす。
そしてそのまま私は彼をアラジンのターバンに乗せた。
「くーっ!!おいお前ら3人!!絶対に奴隷にしてやる!奴隷にして一生働かせてやるからなー!!!!」
『。』
皆を助けて尚、こう言ってくるぽっちゃりに私はにこりと笑いかけてターバンから飛び降りた。
と言っても、思いっきり勢いを込めてぽっちゃりへ一直線に足を振り上げたのだけど。
「お、おいユキ危ないぞ!!」
上から心配してくれるアリババの声が聞こえる。
そんなアリババに大丈夫だと言うアラジンの声が聞こえて、今私はネックレスに言葉を唱えた。
そしてその途端にネックレスからは大きな光の鳥が飛び出し、私はその鳥の上に乗りぽっちゃりに全てをぶつけたのだ。
「ユキ……体術以外もありなのかよ…」
光の鳥をまともにくらったぽっちゃりは遥か遠くへと飛んで行き、私はアラジンが出したウーゴ君に助けられながらターバンへ戻った。
そしてアラジンと私でぶっ飛んで行った人達にベーッとして手を振った。
『さて、ダンジョンに行こう!!』
そして私達の旅は、ようやく始まるのだった。