第2章 目撃!冬休みの餅パーティ/流川楓
「あ、流川くん」
ボーッとアイツらを眺めていたら、後ろから声を掛けられ、振り返るとが立っていた。
「あれ? 練習は? 水戸くんから、桜木くん練習に行ったって聞いたけど……」
「……寝坊した」
「アンタは?」と聞くと「お餅ご馳走になるから、甘酒を買いに」とはニコッと笑った。
「それより、急いだ方がいいんじゃないの!?」
「……あ……アンタら見てたら、練習のこと忘れてた」
「忘れちゃダメでしょ! ほら、早く! ……あ、流川くん! 桜木くんに会ったら、練習頑張って!って伝えて」
頭を縦に振り、再びペダルを急ぎ足で漕いだ。
……変わり者も世の中にはいるらしい。
あんな奴の何処がいいんだか。サッパリ分からん。
「急がねーと!」
サドルから腰を浮かせ、前屈みになりながらペダルを漕いでいく。
シャアー!!!!
この坂を下れば、湘北の体育館は直ぐそこだ。
……キャプテンの怒り顔が目に浮かぶ。
キツイ制裁が待ち受けているのも……。