第2章 目撃!冬休みの餅パーティ/流川楓
シャアー!!!!
ペダルを漕ぐ足を早め、湘北の体育館へ急いでいた。
練習日に、まさかの寝坊。昨日の自主練を少しやり過ぎたのかもしれない。
「どあほう」
寝坊した自分自身への苛立ちと、これ以上漕げないという自転車のペダルへの不満が口から漏れる。
「早く餅食べようぜ?」
住宅街の一角にある空き地から聞き慣れた騒がしい声が聞こえ、思わずブレーキを握っていた。
「まだ早いって言ってるだろ?」
「腹へった~」
あれは……桜木軍団か。相変わらず、暇な奴等だな。と、そこに女子が二人やって来た。確か……キャプテンの妹と、だったか?
よく練習を見に来てる……ような気がする。
何やら楽しそうに話してて笑い声が絶えず、盛り上がっている。
にしても、こんなとこで七輪使って餅焼いてる奴等、初めて見た……。