• テキストサイズ

マイカラー・パレット

第8章 元日生まれのあなたへ/流川楓



これが、流川楓。私の大好きな人。


「……腹減った。飯」

「何食べたい?」

「お前の作ったのが食べたい」

「えー。たまには、外食したい」

「ヤダ」

「流川のアホ!」


身を寄せ合い、家路を目指す。
来年も再来年も、一緒に誕生日を過ごして、新年とあなたの誕生日をお祝いしたい。


「……好き」

「……好き? え? 今、好きって言った?」


嬉しさのあまり、ニヤケ顔で聞き返してしまう。そんな私のおでこを彼はコツンと叩いた。


「お前の手料理の話だ」

「……手料理ね。たまには、作ってる人の事も好きって言ってよ」


ジッと見つめたあと、彼は軽く口付けた。


「これが、その証」


こう言われてしまっては何も言い返せない。
悔しいから、私も彼の肩にグッと力を入れ、唇を重ねた。


「私も、の証」


ドヤ顔で言い放つも、これが負けず嫌いの闘志に火をつけてしまったようで、これでもかと熱い思いが口移しされる。


愛され過ぎて、目眩が起きそうだ……。


「どあほう」


何事も無かったように、彼は先に歩き出す。
その後を追いかけ、私も歩き出す。


元日生まれのあなたへ。
そんなあなたが私は大好きです。


元日生まれのあなたへ/流川楓【完】
/ 43ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp