• テキストサイズ

マイカラー・パレット

第5章 第2ボタンをあなたへ/黒子テツヤ・青峰大輝



教室で行われた最後のホームルーム。
担任と生徒たちは抱き合い、クラスで集合写真を撮った。


そのあと、アルバムに寄せ書きを書いたり、各々写真を撮ったりと和やかな雰囲気がその場を包んでいた。


「さん」

「わぁっ!?」


突然、叩かれた肩に体が跳ね上がる。と同時に、これまで取ってきた この当たり前のリアクションも、これが最後だと思うとは寂しく感じていた。


影の薄い彼。バスケのコートでは、それが光を生む。その瞬間には、何度も心を奪われた。


そんな事を思い出していると、水色の綺麗な髪をした男子生徒は申し訳なさそうに眉をひそめた。


「驚かせてしまい、すみません。何度も呼んだのですが、気付いてくれなかったので……」

「そうだったんだ! ごめんなさい」


廊下へと彼は移動し、辺りをキョロキョロと見渡す。……誰か探しているのだろうか……。


ホッと胸を撫で下ろすと、再びの元へやって来た。しかし、その顔は険しい。


「ここにいては"危険"です。僕と一緒に来てください」


半ば強引に手を引かれ、彼の後をついていく。
線の細い彼だが、やはり男子だ。骨張った細い指と意外と大きな手。そこから伝わる温もりが頼もしい。


まるで、「守ってあげる」と言わんばかりに。

/ 43ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp