第4章 ビターラブ/エドワード・エルリック
自分の隣の椅子の上に置かれた、赤のリボンが結んである小さな白い箱。思いの詰まった彼宛のチョコレート。
しかし、は渡すのを躊躇っている。
二人の間に自分が入るのは不可能だと知っているから。そして、何よりも二人との関係をここで終わらせたくないから……。
コンコンッ!!
ドアのノック音が部屋に響く。ようやく、彼らがやって来た。
「遅い!! 待ちくたびれたんだから!!」
ウィンリーは二人にズカズカと詰め寄っていく。
「仕方ないだろ? この雪じゃ、思うように歩けな」
「何? 私の機械鎧(オートメイル)のせいにするつもり?」
「いや……その……あ! も来てたのか!! 久しぶり!!」
「……エ~ド~!!!」
「わ、悪かったって!!!」
テーブルの上にあったスパナを手にしたウィンリーに、エドは謝り続けている。それをアルとは「またやってるね」と、ボーッと見つめていた。
「そうそう! はい、ハッピー・バレンタイン!!」
は、アルにマフラーを手渡した。
「わぁ!! 僕に? ありがとう!!!!!」