第3章 僕から君へ/ヒソカ
「これなら、フェアでしょ?」と彼は笑う。
仕方なしに自分の手前にあるピンクのハートを取り、彼の口へと運んだ。
「んー……"普通"のストロベリーだね。甘くて美味しい♪」
意外と彼も甘いモノが好きだったりする。
というか、お菓子に興味があるらしい。
「それじゃ、次は君の番◆」
「え!? ちょっと、待っ……」
無理矢理口に放り込まれ、危うく丸飲みするところだった……。
「急に投げ入れないでよ! 窒息しかけたじゃない!!」
「ごめん、ごめん♪ ……どう? 美味しい?」
「うん! ミルクチョコレート。……でも、何でチョコレートを?」
「今日、バレンタインデーなんだってさ。女の子が好きな子にチョコレートあげる日って一般的には言われてるけど、感謝を伝える日でもあるらしいよ。……全部、店員さんに聞いたんだけどね♪」
「ふーん。で……何で私に?」
「色々と助けてもらってるから、一応……ね?」
一応なんだ……。彼らしいと言えば彼らしいが。
でも、今回はまともそう。
まとも……
「え!? あ、あれ!?」