第3章 僕から君へ/ヒソカ
みるみる体に変化が……。
視線を向けた指先が透けているではないか!!
遂に、景色と同化してしまった。
「ヒソカ!!」
「君が食べたのは、当たりだったみたいだね。おめでとう♪」
チョコレートが入っていた箱の蓋を私に見せながら、彼は言った。
「ただのチョコレートじゃツマラナイから、ロシアンルーレット付きのチョコレートを買ったんだ。当たりには一時的に"透明"になる念が入ってるんだよ◆」
「もう!! 何で、こんなの買うのよ!!」
いくらジタバタしても彼には見えないらしい。無駄なあがきを続ける私にヒソカは笑みを向けた。
「君といると退屈しなくて良い♪ ……いつもありがとう、」
「人で遊ぶの、お願いだから止めて!!」
逆バレンタインも彼にとっては、アソビの一環。
……そして、私の存在も。
僕から君へ【完】