第2章 黒の教団・新しい入団者の少年
―此処は【黒の教団本部】の城内にある医務室。
室内のベッドの一つには、長い黒髪と綺麗な容姿の女性が眠っており、そのベットの横には仏頂面をしたこれまた長い髪と綺麗な容姿をした青年が椅子に腰掛けていた。
青年は、眉間にシワを寄せ、女性の目覚めを待っていた。
『…ん…ンんぅっ…… ユ、ゥ…?』
ユウ「!! ユウリ…!(安堵) …おい、身体…大丈夫なのか…」
苦しそうな声を上げ、1人の女性エクソシスト・神田 ユウリが目を覚ました。
『ん… っ…だい、じょぶ…っンんっ…』
少し騒がしくなった事を不思議に思った婦長が入って来た。
婦長「神田君? 貴方も怪我が酷いのだから程々に… !! まぁ、ユウリ! 貴女目が覚めたのね?…室長に連絡し…」
門番「…アウトォォォォォ! コイツアウト!! 悪魔の手先(かも)だぁーーー!!」
婦長「敵襲!?」
神田「!? …チッ …ユウリ…お前は此処に居ろ!」
城壁を護る門番の叫び声を聞いた神田は、怪我をしている身とは思えない速さで城壁へと向かった。
婦長「あ!? ちょ、ちょっと! 神田!?」
『…婦長… 私、も、行ってきます…』
婦長「えぇ!? …だ、ダメに決まってるでしょう! 第一貴女まだ身体が…」
『…私は、大丈夫です… 終わったらまた来ますから… ね? 』
婦長「……はぁぁぁ… 分かったわ。…但し!神田君も連れて戻ってくること! それが条件よ。」
『!! …クスッ… はい…!』
そして主人公も、痛む身体を無理に動かしながらなるべく急いで城壁へと向かった。