第3章 マテールの亡霊
―――ドォォォォォォォオン!
そんな時、突然下の街から爆音と共に土煙が上がり、それはまるで、爆音が幾度も響き渡りまるでマテールの街の一箇所が爆発を繰り返しているかの様だ。
『…あそこ、だね…』
分かりづらいが、目を凝らせば確かに球体のアクマと、ファインダーの頭を踏みつけるピエロの様な悪魔がいた。
悪魔1「ヒマ潰しにお前の頭で遊んでやるゥ!」
ファインダー1「ギャャァァァア」
アレン「…っ…ヤメロォォォォォ!!」
ピエロが惨い遊びを始めた刹那、アレンは戦場の真っ只中へ飛び込んだ。
トマ「あ…」
『! アレン…!!』
神田「あの馬鹿… チッ…」
『…ユウ… 私達も行きましょう。』
言うが早いか、ユウリはイノセンスを発動した。
神田「…あぁ。」
『…行きましょう。少しでも残ってるファインダー達を…』
トマ「…ユウリ殿…」
神田「…ユウリ!!」
仏頂面だが、ユウリを心配する神田に、ユウリは少し笑って言った。
『!…ユウ、ごめん… 私は、大丈夫。(微笑)だから… 行きましょう。』
足を引っ張るくらいなら、最初から要らないし、力が及ばず死に逝く様に興味はない。それが神田の考え方で、周りからは冷徹とされるが、その考えにユウリは決して当てはまらない。