第3章 マテールの亡霊
アレン「 あ…あの人は… 」
アレンの脳裏には、昨日の城門での出来事が思い出され【関わりたくない】と思わせた。
神田「…うるせぇな… これから食う時に後ろでメソメソ死んだヤツの話されちゃ飯が不味くなるんだよ。」
『…』
バズ「…テンメェ…! それが殉職した同士に言うセリフかぁ!! …オレ達…ファインダーはぁ!お前らエクソシストの下で命懸けでサポートしてやってるのに…!それを…それを…!! 飯が不味くなるだぁ!? 」
エクソシストのように、対アクマ武器を扱えないファインダーにアクマとの対峙は丸腰に等しい。それでも役に立とうと命がけでエクソシストをサポートするファインダーに、神田の言葉は聞き捨てならないもの。言っている事は間違ってはいないが、ファインダーの気持ちも分かる。
神田「サポートしてやってるだぁ? …チゲぇだろ、サポートしか出来ねぇんだろ? …お前らはエクソシストになれなかった… イノセンスに選ばれなかったハズレ者だ。……ファインダー位代わりはいくらでもいる。死ぬのが嫌なら…出てけ。」
神田はまた辛辣な言葉を述べ、周りにいるファインダー達を怒らせていく。
ファインダー達「「「コノヤロー!! 『…ユウ。ダメよ、バズを離して。』…!?」」」
争いの中心からユウリの声が聞こえたかと思うと、アレンの隣には、もう既に主人公の姿は無かった。
神田「…ユウリ。」
『…確かに私達エクソシスト以外にイノセンスは扱えない。…だけど私達は、ファインダー達に…ううん、コムイさんや他の人達も含めて色んな人達にサポートして貰って戦ってる… それに…死ぬのが怖くない人なんていないよ…。』
神田「…チッ お前はアメェんだよ。」
神田はバズの首筋から手を離した後、主人公にしか聞えない様な声でそう呟いたが、ユウリは気付かないふりをして、解放されたばかりのバズへと向き直る。
『…でもバズ、貴方もよ? 此処(教団)には、これから任務に向かっていく人達が沢山いるわ。…でも、任務に向かう前から周りがそんなに哀しまれては、辛いのよ… 』
バズ「…!!」
ファインダー達「「「……!!」」」
ユウリの言葉で、バズや周りにいたファインダー達は、どこかバツが悪そうに視線を泳がした。