第2章 境界
―教会の中。
老神父「おや? お帰り、信乃、荘介。」
神父「だいぶ遅かったですねぇ〜。」
『あ、た、ただいま…』
荘介「…只今戻りました。」
神父達が声をかける中、荘介は、先程の事などまるで何も無かったかのように返す。
『…ん? あれ、浜路は…?』
荘介「…そう言えば見てませんね…」
『「!! …まさかっ…」』
2人は慌てて浜路の部屋へと急ぐ。
そこで2人が見たのは、開け放たれた窓と、「赤髪の女は預かった。返して欲しくば帝都まで来い。」と書かれた置き手紙だけだった。
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浜路の誘拐が発覚してから、信乃、荘介、神父達は浜路の事について話し込んでいた。
『…あの狐達…っ…』
荘介「…」
神父「…それにしても… お前達も厄介なのに目をつけられましたねぇ… あれ、尾崎の5狐ですよ。」
『早く浜路探しに行かなきゃ…!』
そんな話しをしていると、突然荘介は、信乃に話し掛けた。
荘介「…信乃、貴女に少しいいですか。」
『? 荘介…?』
そう言うと荘介は、不思議がる信乃をソファーに押し倒した。
『!? そ、そう、すけ…?』
それはまるで、【ドサッ】という効果音が付きそうな程強い力で、何時もの荘介とは考えられない程乱暴だった。
荘介「…信乃…。…着物、脱いで下さい。」
『……は? …え、んっ…えっと、荘介…?』
荘介「…自分で脱ぐ気が無いなら勝手に脱がします。」
そう言うと荘介は、片手で信乃を押さえ付け、もう片方の手で器用に着物の胸の部分を肌蹴させていく。
後で神父達が「荘介も大胆だねぇ。」とか「2人共もうそんな年ですもんねぇ」と呑気に話しているが、信乃はそれどころでは無い。
そして、着物を肌蹴させ終わると、信乃が巻いているサラシに手を掛け、ゆっくり解き始めた。
『そ、ーすけぇ… や、めてっ…』
荘介「信乃、大人しくして下さい。」
荘介によって解かれたサラシの下からは、今まで潰されていた信乃の身体の女性としての胸の膨らみが、元の大きさへと戻っていく。
『…っ… お願いよ荘介。 …こんな事してる場合じゃないわ。早く浜路の所に行こ… 荘介「…信乃、貴女この身体で行く気ですか。」 …え…』