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八犬伝 -東方異聞-

第2章 境界


―二階・荘介の部屋のベットの上にて。

何故信乃の部屋ではなく、荘介の部屋なのかというと、信乃はもう大丈夫だと言ったのだが、心配症の荘介が、信乃一人では不安だからと少し強引に連れて来て自分部屋のベットに寝かせたのだ。

荘介「信乃。…本当に大丈夫なんですか…?」

『ぅっ…うん…薬が効いてきたみたい…っ…さっきよりだいぶ楽になったから…んっ…』

信乃はそう言うが、まだだいぶ辛そうな信乃を見て、荘介は少し悲しくなる。

荘介「信乃、まだ起きるまでは時間がありますから。少しでもゆっくりと休んで下さい。 …俺が側にいますから。」

『うん… ねぇ、荘ちゃん。迷惑掛けてばかりで…ごめんね。…でもありがとう。』

そして信乃は、また暫く眠りについた。

――――――――――――――――――

『…ぅ…んっ………はあぁぁ…』

それから信乃が目覚めたのは、あれから僅か3・40分しか経っていなかったのだが、信乃は下腹部に感じる痛みに、再び目を覚ました。

『んっ… ぁぅっ… 荘、ちゃん?』

痛む腹を摩りながら主人公が起きると、隣で一緒に寝ていた筈の荘介の姿はもう、部屋には無かった。

『… お、きなきゃ…っ…んんっ…』

痛み止めの薬のお陰か、痛みは幾分かましになったのだが、それでもまだ鈍く鋭い痛みが、ベットから出ようとした信乃を襲う。

『……んっ…はあぁぁぁぁ……っ…ぅう〜……上手く誤魔化せるかしら……ぅんっ……はあぁ……』

暫く痛みと一人、葛藤を繰り返した後、痛みが少し和らいだ瞬間に着替えを済ませ、部屋を出てリビングへと向かった。
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