• テキストサイズ

紗希物語【銀魂】

第3章 仕事のしかた


 わかっている。自分が役立たずだってことくらい、わかっている。でも、だからって、そんな言い方しなくったって……。

「一応お忍びだからな。そんな大それた事件は起きんと思うが」
「あんまりうろうろするなよ」
「……はい」
「のたくさしてたせいで、間違って斬っちまっても恨むんじゃねーぜィ」

 飄々と言い捨てる沖田。この調子だと、本当にサラリと切り捨てられてしまいそう。

 沖田隊長の傍には、絶対に近づかないようにしなくっちゃ。

 ちらりと運転席の沖田を盗み見る。無駄のない、しっかり筋肉のついた細身のふとももが、かっちりした黒い制服につつまれている。
 
 強そう。
 
 容赦のない太刀筋が見えるよう。

 何ごとも起きませんように。

 紗希は誰にも悟られぬよう、お腹の前で両手を組んだ。祈るように。

/ 60ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp