第4章 無茶な頑張りかた
「あの、銀さんは、どうしてそんなに優しくしてくれるの?」
皆にもそんなに優しいの? なんか、大事にされてるような気がして、勘違いしちゃうよ。
「どうして来てくれたの?」
「言ったろ。おまえが倒れたって聞いたから」
また訊いたらしつこいだろうか。
どうして、わたしが倒れたら来てくれるんだろう。
「誰に聞いたの?」
「誰ってそりゃあ……由紀だけど」
ああ、そっか。親しいんだっけ。
「由紀さんに頼まれたから?」
「え……? な、なにが」
「様子見てきてほしいって」
「あ、う、うん。まあ、そんなとこ」
何か焦っているように見えるのは気のせいだろうか。
「最近またずっと、会ってないから……忙しいみたいで」
「前から思ってたんだけど、おまえと由紀ってどーいう関係? まさか親子じゃあねーだろ? 姉妹にしては、年離れてるっつーか、似てるよーな似てねえよーな……」
「うん……」
それを答えるのは少し難しい。姉妹のようで、姉妹でない。それに、それを言うなら、銀さんと由紀さんは、どういう関係なんだろう。ただのお友達、程度の中ではないことくらい想像がつく。
「まあ、別にいいけど。あんまアイツに心配かけねーようにしろよ」
「うん……そうだね」
「じゃあ、いつにする、花見。ああ、花火の日に、ついでに夜桜でも見に行くか」
花火……そっか。そんな約束もしてたっけ。
「うん、行きたい」
返事をしながら、またものすごく眠くなっていた。病室の扉が開いたのがわる。誰かが入って来たみたいだけど、確認する気力もなく、再び眠りに落ちていった。