第2章 デートのしかた
「おもしろかったね! わたしボーリングはまりそう」
「そーかい」
お店の立ち並ぶ通りにでた。きれいな着物や、かわいい小物がならんでいる。
「紗希」
「 ? 」
銀時が立ち止まった。
「これ、似合うんじゃねーか?」
「なあに?」
かんざしを手に取っていた。蒼いトンボ玉の飾りのついた、かんざし。
「わあー! かわいい!」
「ちょっと値は張るが……」
銀時は、かんざしを紗希の髪に当てて、品定めをする。
「あの、銀さ……」
「よし、買うか」
「ええ?! い、いいよ。わたしお金持ってな――」
ポン、と頭をなでられた。
「ねーちゃん、これもらうぜ」
「はーい。ありがとうございます」
ええ?! 買ってくれるの?!
「いいよ、銀さん、悪いよ、こんな……」
「いいっつてんだろ? 今日は言うこと聞くって約束だろーが。ほら」
かわいい袋に入れてもらったそれを、受け取った。
「……うん」
すごく、うれしい。
「ありがとう、銀さん」
すごく、ドキドキする。
「大切にするね」
「ん……おうよ。ほ、ほかに見てーもんとかねーの?」
「んー」
紗希はあたりを見まわした。
「ちょっと、お腹すいたかも」
「ちょっと早えーけど晩飯食いに行くか」
あとでちゃんとお金返さなくちゃ。
銀時はデザートにチョコレートパフェを三つも頼んだ。
「甘いもの好きなの?」
「ったりめーだろ。人間甘いものさえとってれば万事うまく行くんだよ」
「へへ、それはどうかわからないけど。じゃあ、この前のケーキ正解だったんだね。さすが由紀さん。あ、由紀さんもね、甘いもの好きだから、わたしよく作るんだ。今度会えるときがあったら持っていくね」
「へーまじか。どんなのつくんの?」
「んー、パウンドケーキとか」
「そいつぁたのしみだな」
忘れないようにしなくっちゃ。今度銀さんに遇う時は、おやつを作っていく!
「外、暗くなってきたな」
「え……」
本当だ。もう夜かあ。
銀さん、今日一日つきあってくれてたけど、用事とか、大丈夫だったのかなあ……。