第27章 『再・分解』 2
おいおい。
ちょっとカッコよく締めようと思ってたのに。
何を言い出すんだ。やっぱりどこか打ったのかな。
「さっき言った事が全部だ。二度といわねぇ。ホントの事だからな。」
えっへん!と腕を組んで自慢げにそう言い切るエドワード。
何の話だ?とキンブリーの元部下の二人は首をかしげる。
「立場逆転じゃないか……。」
「気分がいい。」
頭を抱える僕に、さも当たり前のように肩を組んでくる。
その他二人は、仲がいいな。と言う始末。
等の本人のエドワードは僕の耳元でコソコソと呟く。
「俺は、本気だ。」
ゴンッ!
「っぎゃ!」
一発殴らせてもらった。
「戦闘力も地位も及ばない、一介の軍人のエドワード君の癖に随分な口をききますね。」
「んだと!」
「錬金術のセンスのかけらも僕の足元に及ばないのに、今回の闘い生き残れるんですかね。」
「センスおおありだ!」
「無事に乗り越えたら!もう一度ゆっくり君の故郷にでも行きましょう。」
………もうこれ以上彼といたらだめだ。
過保護になってしまいそうだ。
憧れを手に入れた嬉しさ。手に入れたのなら大切にしたいと思うのは普通の事だろう。
僕は彼らを振りきって、難しい顔をしたヴァンさんの元に歩いて行く。
「セル……もう、ビーネ君でいいね。」
「はい。」
「君はどうする?」
「僕は、一度家族の所に行きたいです。心配だから。」
遠くに見えるセントラル。
細々とだが煙のような物が見える気がする。
「気を付けて行きなさい。」
ヴァンさんはそう言って僕の肩をポンポンと二度優しく叩いてくれた。
彼のためにも、僕は腕を振るおう。
見てろよエドワード、アルフォンス。
ここからが僕の本気の錬金術だ。
すべてを終わらせるために。
すべてを守るために。
僕の生きる意味を見つけるために。
・・・