第27章 『再・分解』 2
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マルコーさん、スカー、フーさん、ランファンさん、元キンブリーの部下4人、とあとおじさん。
知らない間にたくさんの仲間がいたようだ。
『約束の日』の来たるべき時に備え作戦を擦り合わせる。
「スカー達との話し合いは終わったのか?」
ふとったおじさんがこちらに歩いてきながらそう声をかけて来た。
「あ、はい。えっと。」
「ジェルソ。」
「俺はダリウス。あんた、ホーエンハイムさんの息子なんだって?エドの弟か?」
「いえ。カモフラージュです。」
と、そこに横やりを入れるようにエドワードが出しゃばってくる。
「こいつはビーネ。俺の相方だ。」
「……。」
一撃入れてやろうと思ったが、人前だ今はやめておこう。
「まぁ、仕込みは終わったよ。」
エドと彼らの視線は目の前のアルフォンスが中にいるドームに向かう。
「たいしたもんだよ、おまえの弟は。」
「あんな化け物と暗闇に二人っきりにされて、俺だったら発狂する。」
「……うん。アルがふんばってくれてるんだもんな。」
昨夜の戦闘からずっと放置されていたのだろう、地面に落ちていた自身の赤い上着を拾う。
「後は。俺たちがやるだけだ。」
そう言って、上着にそでを通し、襟を整える姿はやはりエドワードだ。
真っ直ぐで、家族思いで、負けず嫌い。
「エド。僕から一ついいかな。」
「あぁ。」
「さっきの話だけど。なかったことにしよう。」
「は?」
気合が入ったところで申し訳ないとも思ったが、目の前の事はさっきの話よりはるかに大事だ。
今、他の事に気を取られている場合ではない。
「全部守りきれたら。」
父さんも母さんもエリシアも中将の想いもエドもアルもウィンリィさんも、みんな。
「全てを守りきれたら、もう一度きちんと話をしよう。」
「いいや、しない。」
「は?」