• テキストサイズ

七色の雫 ~生きる道の再構築~

第25章 『再・理解』   4



「そうだ。君は頭もいいんだね。」
「で、では、真理を見た人間が人柱という事になる!僕が知っている限り、真理を見た錬金術師は僕を入れて4人……」
「もちろん俺も仲間に入れてくれ。」
「じゃぁ、もう5人そろってしまっている?」

いや、ちょっとまて。
僕は人柱云々と直接言われた事は無いぞ?

「たぶん、向こうは君が真理を見ていると思っているはずだ。でも、君は死んだんだよね?」
「あ、はい。僕そっくりの人形を錬成して、それを中央兵にも見られてますし、アームストロング少将が簡単な葬儀をして地面に埋めてくれたと思います。」
「だとしたら、君が生きている事を悟られていない限り、今の所人柱は4人だ。」

向こうには準備が整っていても切り札が一枚足りていないという事なのだろうか。

「後もう一つ。国土錬成陣を完成させるには大いなる自然の力を借りる必要がある。」
「自然の力?」
「そう、彼らは来たるべき日を待っている。」

来たるべき日?

「それまでに、確実に準備をしなければならない。」
「…準備、ですか。」

ビリビリと感じるヴァンさんからの強い意志。
クセルクセスの悲劇からずっと、ずっと『お父様』を止めるべく動いてきたのだろう。
エドワードと同じ金色の瞳は色んな事を見てきたのだろう。

「もちろん。僕もお手伝いします。」
「心強いよ。」

それから、僕とヴァンさんの奇妙な生活が始まった。
僕はこの国では死んだことになっているので名前を変えようという話になり、
セルヴァインという名前で、ヴァンさんの息子という事にした。
まぁ、同じ金髪で誰も疑う事は無い。
僕もヴァンさんの事を人前では「父さん」と呼びヴァンさんも僕の事を「セル」と呼び合っている。
リオールの復興に手を貸しながら、準備への計画を練る日々。
数日が経った頃、そろそろここを出発しようとしていた時、思わぬ再開があった。




/ 306ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp