第14章 Ephemeral(黄瀬涼太)
「一人にあんま時間かけられないから、早く作れるように練習しねーと」
涼太は何に関しても努力家で、本当に尊敬する。
バルーンを作っている間は、ファンの方とトーク出来る時間にするんだって。
昔は全然意識しなかったけど、最近はファンとの交流も大事にしなきゃって言ってた。
私から見れば、昔もちゃんと対応してたと思うけどな……涼太自身の認識とはまた異なるようだ。
「これ上手くなったら、夏祭りやる時に子どもたちに配ろっかな」
「わ、いいね、絶対喜ぶよ。風船いっぱい買っておかなきゃ」
夏休みには、いつもお友達と集まって自宅で夏祭りをやっている。
屋台を作ったりするのも楽しくて、すっかり毎年の恒例行事だ。
こんな可愛いバルーンをもらえたら、子ども達も大喜びだろう。
「これだけじゃつまんないっスね、他のも作れるように練習しよ。あんまり普段見かけないやつとかも」
「私も戦力になれるように練習しようかな? でもパチンパチン割って子ども達を怖がらせちゃうかな……」
涼太はあははと笑った。
本当にやらかしそうで、私はあんまり笑えない。
「やってみる?」
「いいの? 貴重な風船」
「大丈夫大丈夫。おいで」
「あ……お邪魔、します」
手招きされて、涼太の足の間に腰掛けた。
後ろから私の手をサポートしてくれるみたい……だけど、バックハグみたいでちょっと恥ずかしい。
「最初のやつでいいっスか?」
「うん!」
「まず、これくらいの長さのバブルを5つ作って……」
この、ひねって作る節はバブルっていうんだ。
空気の入れ方も教わって、二本のバルーンを組み合わせて無事に星型を作ることが出来た。
「すごい、私にも作れた! ありがとう!」
初めての経験に、ついつい浮かれてしまう。