• テキストサイズ

銀魂 - 雪月花 -

第122章 女にも性欲はある。


それから数分の格闘が続き、葵咲は何とか正気に戻った。
時間制限的なものなのか、その場から玲央が離れて一定の距離を取ったからなのかは定かではないが、正気に戻った事で土方は安堵する。

一方葵咲は、その時の記憶や自覚はあるのか、酷く落ち込んだ様子で膝を抱えて座り込んでいた。


葵咲「…もうお嫁に行けない…。」

土方「・・・・・。」


ちーん…。

まぁ葵咲の落ち込みは理解出来んではない。相手の術で人格を変えられたならまだしも、己の心の底にある欲を引き出されたというのだから。葵咲そのものであると言われたも同然。そんな醜態を晒した、しかも意中の男性相手にとなれば落ち込むのも無理のない話だろう。土方はそんな葵咲を見て少し不憫に思った。
何て声を掛けてやれば良いのやら。その言葉に悩み、土方がポリポリと頬を掻いていると、クルーズ船の船員が拡声器で乗客達へと呼び掛けた。


「皆様、大変申し訳ございません。先程の炎上でエンジントラブルが発生ております。復旧の目処は立っておりますが、本日中には地球へ帰還出来ない見込みとなっております。」


―― ザワザワ…。

辺りがざわつくのも無理はない。地球に帰れない、その言葉を聞いて乗客達は顔をしかめる。幸い、復旧の目処は立っていて“明日中には”との事である為、声を荒げる者はいなかったが、それでも動揺は隠しきれなかった。一夜をどう過ごすのか?乗客達の不安はぬぐえない。だがそんな乗客達を安心させるように、船員が言葉を続けた。


「幸い、本艇には客室がございます。宿泊費は無料とさせて頂きますので、今宵はそちらでお休み下さい。」


それを聞いて安心したように胸を撫でおろす乗客達。今日中に何が何でも帰らなければならない、といった乗客はいなかったようで、むしろタダで船内一泊が出来てラッキーだと考える人も多いようだ。
/ 1473ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp