第121章 異国のマナーは一朝一夕では身につかない。
クルーズ船へと乗船した葵咲達は順番に席へと案内される。
葵咲達はラッキーにも窓際席だった。窓から星々の瞬きを見ながら食事が出来る席。それだけでテンションが上がる。葵咲は内心ワクワクした気持ちを抑えながら席に着く。
少ししてから船の支配人の男がマイク片手に乗客達に呼び掛けた。
「この度は、当ディナークルーズにお越し頂き、誠に有難うございます。当船はライダー星へと向かいます。道中は星々の輝きをご覧頂きながら お食事を。そしてライダー星ではランタンイベントをお楽しみ下さい。」
船は静かに宇宙空間を突き進む。土方は以前、煙草を求めて一人宇宙へと旅に出た事があるが(銀魂コミック23巻、第202訓参照)、葵咲は宇宙に出るのは初めてだ。キラキラした瞳を携えながら窓の外を覗き見る。
葵咲「凄い…!土方さん!見てみて!あれ!火星がもうあんな遠くに!…あ!あれ木星!?まだだいぶ距離あるはずなのに、もうあんなに大きく見える…!」
子どものようにはしゃぐ葵咲を見て、何処か安心したような顔を浮かべる土方。土方もまた葵咲につられてフッと笑みが零れた。そんな二人の元へ、ツカツカとカメリエーレが訪れる。
「本日はご乗船頂き、誠に有難うございます。こちらが本日のメニューになります。今日という日の為に、ライダー星の料理をシェフが腕によりをかけて準備致しました。順次お食事をお持ち致しますので、今しばらくお待ち下さいませ。」
そう言ってカメリエーレは二人の前にメニューが書かれた紙を置き、その場を後にする。葵咲はワクワクする半面、ドキドキもしていた。今まで全くと言っていい程 贅沢をした事がない。高級フレンチ、高級イタリアン…そういったテーブルマナーに慣れていない。高鳴る鼓動を抑える為にも、葵咲は目を瞑って大きく深呼吸をした。
(葵咲:一応一通りのマナーは頭に叩き込んで来た。ナイフとフォークは外側から。万が一中座する場合はナプキンを椅子の背もたれに。…あー緊張する!こんなの慣れてないィィィ!!)