第120章 重要な話は第三者が先に聞くべきじゃない。
先程から山崎が慌てている理由はこれか!土方の中で山崎の態度とその理由とを結びつける。自然と土方の表情は引き締まった。
そんな真剣な眼差しを向ける土方へ、山崎はズイッとスーツを手渡す。
山崎「さぁ!これに着替えて下さい!!」
土方「は?」
あれ?なんやおかしいで。
妙な風向きに土方は怪訝な顔を浮かべる。だがここで山崎は一歩も引かずに強硬手段に躍り出た。
山崎「いいから早く!!」
土方「なっ!ちょ!!何なんだよ!お前らァァァァァ!!」
山崎の言葉を合図に鉄之助が土方を抑え込み、山崎が問答無用で土方の服をひっぺがし始める。土方は何が何だか分からず、されるがまま隊服を脱がされた。後で再び隊服に着替えられる事を懸念した山崎は、脱がした服を窓から外へと放り投げる。そして脱がせるだけ脱がして運転席へ。それと一緒に鉄之助も助手席へと移った。そして山崎は車を発進させる。土方は仕方なく渡されたスーツを着用して様子を見る事にした。
数分、車を走らせて一行はターミナルの入口前へと到着。車を停める山崎。
―― ドゲシッ。
山崎は車から追い出す形で土方だけその場におろした。
山崎「着きましたよ。あとは何とか自分で頑張って下さい。」
土方「ちょ!おいィィィィィ!!」
おろして早々、山崎は素早く車を発進させる。ターミナルから離れた辺りで、助手席に座っていた鉄之助がおずおずと口を開いた。
鉄「…大丈夫っスかね?」
山崎「俺達が出来るのはここまで。あそこまで行ったら流石の副長も腹くくるしかないでしょ。」
鉄「いや、自分達がっス。」
山崎「・・・・・。」
土方を騙す形で無理矢理連れて来た。しかも隊服を奪って。後でどんな仕打ちが待ち受けているか分かったもんじゃない。鬼の副長の報復を考えると、鉄之助は身震いした。そしてその意味を理解した山崎もまた固まる。だが少しの間を置いて言葉を紡いだ。
山崎「嘘は吐いてないし。葵咲ちゃんがクルーズ船に連れてかれちゃう…かも。っていうのを濁しただけだし。」
鉄「・・・・・。」
鉄之助も腹をくくった。