第118章 幸せな時間明けの日常は夢オチを疑う。
葵咲の部屋を出た土方は、暫く無言で歩き進む。
そして葵咲の部屋から離れた場所にて、廊下の壁に手をついて心の中で叫んだ。
(土方:ヤ、ヤベェェェェェ!!危なかった…!!!『待てねぇ。』って何だよ!思春期のガキか俺はァァァァァ!!)
想定外の展開に思考が追い付いていない。欲求不満なのだろうかと思う程、がっついてしまった自分が恥ずかしい。顔から火が出る思いで自分を恥じる。だが先程の事を振り返って思い出す。
土方「・・・・・。」
土方はそっと自分の唇に触れる。まだ感触が残っている。夢ではない。現実を噛み締めながら土方は何とも言い難い表情を浮かべる。
その時、自分へと注がれる視線がある事に気付いた。
土方「…ハッ!」
視線に気付いた土方は、その主へと慌てて振り返る。物陰から山崎が じとーっとした目つきで覗き見ていた。その表情は満面のニヤニヤ。
土方「っ!!!!!」
たぶんバレた。その事を瞬時に悟る土方は山崎をボコボコにした。