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銀魂 - 雪月花 -

第118章 幸せな時間明けの日常は夢オチを疑う。


酔った勢いだとか、魔が差しただけだとか、軽い気持ちだと思われたくない。土方は性格的に素直に想いを告げられるタイプではない。故に誤解を生みやすい。土方なりに誠意を表したつもりだった。
だがそんな土方の言葉を聞いても葵咲は動かない。それどころか俯き加減になってゆく。葵咲の返事を待っていたわけではないが、彼女を気遣う土方は頭を掻きながら視線を逸らした。


土方「あー、いや。にしても一方的に悪かっ…」


真剣な気持ちとは言え、葵咲の気持ちも聞かずに一方的に事に至った。その事を謝ろうとする土方。
だがその言葉を遮るように今度は葵咲が至極小さな声で言葉を放つ。


葵咲「…たしも。」

土方「?」

葵咲「私も…。土方さんの事が…す、きです…!」

土方「!!」


最初の言葉は聞こえなかった。だが二言目はきちんと届いた。まさかそんな言葉を返してもらえるなんて思いもしていなかった。
土方は大きく目を見開く。そして葵咲へと再び目を向けた。葵咲は先程以上に顔を赤らめながら斜め下を見つめている。恥ずかしさで顔を上げられない。そんな初々しい素振りを見せる葵咲を見て、土方の中の箍が外れた。


葵咲「・・・・っ。」

土方「・・・・・。」


土方は静かに葵咲へと顔を寄せる。そして再び唇を重ねた。


葵咲「…んっ。」

土方「・・・・・。」


そして土方はそのまま布団へと葵咲を押し倒す。押し倒された事で離れる唇。葵咲は頬を赤らめたまま慌てて土方へと制止を掛ける。


葵咲「あ、あの、土方さん!ま、待って!!こっ、ここから先は!その、まだ心の準備が…んっ!」


その言葉途中で再びキスをする。まるで葵咲の口を塞ぐかのように。そして土方は一度口を離し、だが至極至近距離で葵咲の瞳を覗き込みながら囁きかけた。


土方「…待てねぇ。」

葵咲「!!」


再び重ねられる唇は熱くとろけるように甘い。ゆっくりと優しく、舌を絡ませながら土方は右手を葵咲の浴衣の帯へと伸ばした。しゅるりと解かれる帯。決して嫌ではない。けれど、まだ心の準備が出来ていない。葵咲の心臓は張り裂けそうな爆音で鳴り響く。この音が土方に聞こえてやしないだろうか。
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