第2章 騒々しい1日
「紹介しますね、こちら日向翔陽くんです。かちらに遠征で来ていたんですが迷子になって困っていたところを僕と火神くんが保護しました」
「保護って…」
「へぇ〜どこから来たんだ?」
「み、みみ宮城からっ、来ました!」
小金井先輩が人懐こい笑顔で聞けば緊張気味だった翔陽くんも少しだけ落ち着いたらしく、僕の後ろに隠れながらもちゃんと答えていました。
「そっかーそれじゃあ向こうも探してるかもな。そうだ、アメちゃん食うか?」
「木吉!てめぇは黙ってろ!!」
「…パンダのエサは、パンだ…!」
「急になんだよ!てかそれ前も言っただろーが!つか面白くねぇよ!!お前も黙ってろ伊月!!」
「そうだ!翔陽も一緒に部活やるか〜?楽しいよ〜」
「おいコガ!勝手に勧誘すんな!!水戸部も見てないで止めろ!!」
「……(オロオロ)」
「アメちゃん食うかー?」
「はっ、ドライブインの…ドライ部員…!」
「だぁーもう!!お前ら一旦黙れ!!!」
「日向くんも落ち着きなさい」
ということで一旦休憩。
「んでー、翔陽だっけ?紹介が遅れたな、誠凛高校バスケ部2年主将の日向順平。ポジションは『SG』だ」
「同じく2年、木吉鉄平だ。ポジションは『C』、よろしくな〜」
「同じく2年伊月俊、ポジションは『PG』よろしくな」
「同じく2年!小金井慎二!ポジションは『F』ね〜、よろしく!」
「……」
「水戸部凛之介、ポジションは『C』よろしくだって!」
と、先輩たちが自己紹介するが翔陽くんはイマイチ分かっていないのか頭に?を浮かべながらも一生懸命聞いていた。
「あ、あの!宮城から来ました烏野高校1年日向翔陽です!部活はバレー部でポジションはミドルブロッカーです!」
「え、バレー?バスケじゃなくて?」
「しかもミドルブロッカーって身長の高い選手がやるとこじゃないっけ?」
「大体はそうね。彼の身長だと背丈が必要なバレーでもせいぜいリベロだと思うけど…」
口々にそう話し出す先輩たち、すると…
「俺は、飛べる!最強の囮だから!」
さっきまでとは違い下ではなく上を見据えて自身に満ちた顔つきでそう答えた翔陽くんに先輩だけでなく、僕と火神くんまでもが唖然とした。