第2章 鶴丸国永編
「よっ!」
「あ!鶴丸さんでしたか。
おはようございます。」
主が鍛刀の為に部屋から出ると上から俺が出てくるという驚く事をしてやった。
でも他の奴に比べて反応が薄いな。
まぁ一切驚かない三日月よりはましだが。
主が凄く驚く所、見てみたいもんだぜ。
「なぁ、主が一番驚くことってなんだ?」
驚かすんだったら本人に直接聴かなきゃわかんないしな。
「ん~・・・ドキッとする事でしょうか?」
どきっ?何だそれは。
「あ、もうそろそろ私は行きますね」
「おう、ありがとな!」
うーん、どうすれば驚くかわかったがどきってのがわかんねーな・・・
どうにかして驚かせたいが。
「鶴丸ではないか。
本当に屋根が好きだな」
下を見ると三日月がいた。
普通俺が屋根にいたら他の奴らは驚くんだが。
「本当に驚かないなー、三日月は。」
「はて、驚くべきなのか?」
首を傾げ聞いてくる。
どうも三日月の考えてる事はわかんないな。
あ、どうしたらどきっとなるか聞いてみるか。
俺よりも長年生きてるしわかる可能性もあるかもな。
「なぁ、どきって知っているか?」
「どきっ?俺にはようわからん」
やっぱりか・・・。
「ところで何故聞くのだ?」
「どうにかして主を驚かせたいんだ。
どうやらどきっとする事をすれば驚くらしいんだ。」
「乱に聞いてみてはどうだ?
主は女だ。乱も女々しいからな。
女がどきっとする方法を知っているかもしれんぞ。」
乱か。
昨日粟田口の弟達と遊んだが仕草とか主と少し被るな。
乱に試しに聞いてみるか。
「乱はいるか?」
「あ、鶴丸さん!
ボクに何か用ですか?」
粟田口部屋を開けると兄弟そろって遊んでいた。
こうして見ると乱は本当に女のようだな。
座り方も声も女そのもののようだ。
これなら期待できるかもしれないな。
「少し聞きたい事があるんだが、いいか?」
「いいですよ!
どうせなら場所移動します?」
「あぁ、助かる。」
「はい、どうぞ」
「ありがとう。
ん、こりゃあ綺麗だな」
空き部屋に移動し、乱が茶と菓子を持ってきてくれた。
目の前に置かれたのは空のように透き通った中に色々な色の花の羊羹が入っている寒天だった。
「幻想的で可愛いでしょ?
いち兄に教えてもらいながら作ったんですよ♪」
「女はこういうものを好むのか?」