第14章 お口が甘いのは?
「あ~……よく寝たかも……」
まだスッキリと目覚めていない寝ぼけた頭で周りを見ると、もう真っ暗じゃない。
部屋に戻ってきたのがお昼ごはんを食べた後だったからかなりの時間、寝ていた事になるよね。
「お腹へった……」
お腹がきゅるきゅると鳴って、胃の中が空っぽなのがよくわかる。
台所に行ってなんか食べれる物でも探してこようかな
そう考えた私は襖を開けて廊下にでた。
「ふぁ~あ」
背伸びをしながら大きな欠伸を1つ
(背伸びしながらの欠伸って気持ちいいよね)
「……間抜けた顔」
「い?!……い、家康さん……いつから居たんですか?!」
「あんたが大欠伸をしているところから」
うっ……
恥ずかしいっ
誰もいないと思って大欠伸をしちゃったじゃないのよ
「……あんたって本当に危機感がない」
「平和ボケして……す、すみません……」
「……別に……いいんじゃない?あんたはそのままで」
「え……?」
てっきり冷たい言葉で蔑まれるのかと思っていたのに、家康さんの口からは違う言葉が出てきてびっくり。
まばたきをしながら家康さんを見つめてしまった。
「……なに?」
「あ……なんでもありません」
不機嫌そうに眉をしかめる家康さんに、それ以上何も言えなくて───
微妙な空気が私たちを包み込もうとしていた
が───
「家康様と仲良くしているところ申し訳ございませんが、信長様が様をお呼びですよ」
「仲良くなんかしてない。お前の目は節穴?」
「え?私の目ですか?……穴なんてあいていませんよ」
……三成くん、意味が違うと思うよ。