第13章 天女の御加護
うわぁー
小さい!!可愛いよ。
赤ちゃんを抱いているだけなのに、凄く癒やされていく。
柔らかなほっぺに触れたくなってしまい思わずキスをしてしまった。
ほんのりと香る赤ちゃん特有の匂いに心まで温かくなるなんて……
(赤ちゃんが欲しくなっちゃうな)
「ありがとうございます……って?!……え?……え……?!」
赤ちゃんを返そうとしたらきみさんが涙をぽろぽろと流して泣いている。
まずかった?
赤ちゃんを抱く前に手洗いしてないからばい菌が移ったと思って泣いちゃったの?
「ご、ごめんなさい……私、つい……」
赤ちゃんをきみさんに返すと上擦った声で何度も
「天女様の御加護を直接いただけるなんて、この子は果報者です」
そう言いながら何度も赤ちゃんに頬ずりをしている。
あれ……?
なんか勘違い……してる?
「あの……ですね」
私は天女でもないし、私のキスに御利益もなにもないですよ__
そう言いかけると
「そこの女。天女の御加護を受けてよかったな」
「はい……!この子は将来は安泰です。天女様、本当にありがとうございます」
「いえ……あのっ……!」
深々と頭を下げて何度も御礼を言われてしまうと胸が痛い。
こんなにも大勢の前で嘘をつくなんて耐えられないよ。
この場から逃げ出したくて踵を返そうとすると、ぎゅっと裾をつまんでいる男の子。
「てんにょさま……おいらにも……ちょーだい」
「いっ……?!」