第13章 天女の御加護
家康さんに見惚れていると部屋に光秀さんが入ってきた。いつもの人をちょっと小馬鹿にするような笑みを浮かべながら。
「、なかなか良い仕事をするな」
仕事……?
光秀さんってなんかいつも思わせぶりな言い方をするからよくわかんない。
「なんの事を言ってるんですか?」
「さて……にはもう一働きしてもらおうか」
「へ?」
意味がわかんない
戸惑っている私の手首を掴んで歩きはじめる光秀さん。
え?
どこ行くの?!
「光秀さん……?どこに行くんですか?」
「ついてくればわかる」
「いや……でも、て、手首……」
「うん……?手首がどうした?」
「掴んでますよね?」
「」
立ち止まり、真顔で私の顔を覗き込んでくる光秀さん。その切れ長の目が心の奥まで見透かしそうで、なんだか怖くなる。
「指を絡ませて握って欲しいのか?」
「っ……!」
真顔でしかも!艶っぽい声でいきなり囁いてこないでよ!
顔が熱くなるよ
「くくっ……素直な反応だな」
「か……からかわないで下さいよ!」
私の反応に気をよくしたのか、光秀さんの指が私の指を絡め取ってくる。
こ、恋人繋ぎ……?!
恋人でもない光秀さんと恋人繋ぎって……
からかわれてるって分かっていても、初めての体験に頭が茹であがりそう……
絡ませた指をほどくことが出来ない__