第13章 天女の御加護

「きっと様の事が好きで意識されてしまうのでは？」

「まさか……それは無いよ」

「そうでしょうか？……私としては家康様が恋敵であっても構いませんよ」

「……三成くん……？」



そんな潤んだ瞳で見つめてこないでよ

心臓が飛び出しそうになって両手で胸を押さえてしまう。


（恋敵って……？）



「………俺のいない所で勝手に話を作るのやめてくれる？迷惑だから」

「珍しいですね、家康様が様の御部屋にいらしゃるなんて」

「好きで来たわけじゃないから」


相変わらずの不機嫌そうな家康さん。こんな顔をされて「私の事が好きなのね」って思うほど単純じゃないから。


「城の外が五月蝿いんだけど」

「外が？……なにかあったんですか？」

「あんたに会いたいって。人が押し寄せてるんだけど」

「私に？」

「一体なにをやらかしたの？」



……やらかしたって。

私、何もしてないけど？



「様は人気者なんですね」


ふんわりと笑顔の三成くんにキュンとしてしまう
（思わず顔がにやけちゃう）


「……三成の顔を見てにやつくの……やめてくれる？
それよりも外をどうにかしなよ」

「そんな事を言ったってどうしたらいいんですか？」

「そんな事、俺がわかるわけない……
（なんでまっすぐと俺を見つめてくるんだよ……やっぱり苦手）」



またもフイッと目線を外してしまう家康さん。

もしかして私の顔って、見るに耐えない顔なのかな？
（家康さんにそう思われてもしょうがないよね。だって、家康さんったら美少年っていう言葉が似合うくらいに綺麗なんだもん）

つい、見惚れてしまいそうになっちゃうよ


「（凄い視線を感じるんだけど……やめてくんない）」